大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)2076 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人清水正雄の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りであり、これに対する当裁

判所の判断は次の如くである。

第一点について。

原判決挙示の証拠就中被告人及び第一審相被告人A、Bの第一審における第一回

公判調書中の供述記載について所論の点を調査すると、右被告人等は夫々第一審に

おける第一回公判廷において各判示と同趣旨の供述をしていることが認められるの

であつて所論は畢竟原判決が証拠に引用していない原審公判廷における被告人の供

述に基いて原判決の認定した事実を攻撃するに過ぎないのである。従つて原判決が

被告人の判示各所為に対し夫々前記法条を適用したのは固より相当であつて原判決

には所論のような違法はない其故論旨は理由がない。

第二点について。

被告人及び第一審相被告人A、Bが夫々第一審における第一回公判廷において各

判示と同趣旨の供述をしていることは前段において説明した通りであつて右各供述

と原判決挙示の他の証拠とを綜合すれば判示強盗、同予備の各事実を認定するに十

分であるから所論のように証拠によらず犯罪事実を認定したということは出来ない。

従つてこの点の論旨も理由がない。

第三点について。

原審における昭和二四年五月九日の第四回公判調書を見ると被告人の原審弁護人

が本件各事実について被告人に強盗の犯がなく又共謀の点についてもその証明が不

十分である旨の弁論をしていることは洵に所論の通りである。然も右弁論の趣旨は、

単に犯意並びに共謀の事実を否認するに過ぎないのであつてかゝる弁論が旧刑訴第

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三六〇条第二項に規定する法律上犯罪の成立を阻却すべき原由たる事実上の主張に

該当しないことは既に判例(昭和二三年(れ)第一五八五号昭和二四、三、二二、

第三小法廷判決)が示しているところである。従つて原判決が之に対する判断を示

なかつたことは当然でこの点の論旨も亦理由がない。

よつて上告を理由なしとし旧刑事訴訟法第四四六条に従つて主文の如く判決する。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 長谷川瀏関与

昭和二四年一二月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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